
いつもピラティススタジオアコアをご利用いただき誠にありがとうございます。
アコアトレーナーの船引怜美です。
今回は、脊柱側弯症とマシンピラティスについてのお話です。
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まず、はじめに、
側弯症のに関する専門家、ではありません。
詳しい説明・解説はできませんが、
ピラティストレーナーとして、教育を受けた範囲、これまでの指導経験に基づくご説明となりますこと、
ご理解・ご了承頂けますよう、どうかお願い申し上げます。
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背骨の歪み、ねじれ、背中の肋骨の状態・筋肉の状態の左右不釣り合い、肋骨の形に不釣り合いなど。。。
特にこれまで医療機関で【脊柱側弯症】診断されていなくても、
整体やマッサージなどの施術の際や、ピラティス等のボディワークの際などで感じたこと/指摘を受けたことなどある方は多くいらっしゃるかと思います。
ここでは、
まず、医療機関で「側弯症」と診断され、ピラティス等の運動をおすすめされた方々にとって、
マシンピラティスでどのようにお手伝いすることが可能か?について、
そして、「側弯症」ではなくても、背骨や肋骨の歪み・ねじれによる
身体の左右差や動きにおける不釣り合いに対して、
どのようにマシンピラティスでアプローチできるかについて、
お話できたら、と思っています。
【脊柱側弯症とは?】
「側弯症(そくわんしょう)」とは背骨が左右に弯曲した状態で、
背骨-椎体自体に回旋(ねじれ)や楔形変形(背骨が楔形に変形する)を伴った
通常、小児期にみられる脊柱変形を指します。
その変形の角度によって、
「側弯症」の診断ならびに一般的治療法が異なります。
(治療は、側弯の原因・程度・年齢などによっても異なります。)
【側弯による主な症状】
- 左右の肩の高さの違い
- 肩甲骨の突出
- 腰の高さの非対称
- 胸郭の変形
- 肋骨や腰部の隆起(前かがみをした姿勢で後ろから背中をみた場合)などの変形を生じます。
側弯の進行によっては、
腰背部痛や心肺機能の低下や内臓機能への影響をきたすことがあります。
【側弯症の治療】
保存療法(装具・運動・習慣)
手術
<参考文献・参考資料>
日本整形外科学会HP (https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/scoliosis.html)
日本側弯症学会HP(https://www.sokuwan.jp/patient/disease/cause.html)
側弯トレーニングHP (https://www.sokuwan.jp/patient/disease/cause.html)
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<必ず確認をお願いします>
側弯症の検査・診断は、必ず専門の医療機関で診ていただいてください。
自身の判断や、専門医ではない者(ピラティスやフィットネスのトレーナーなど)が診断することはできません。
また、側弯症をピラティスで完治させる、完全回復させることは不可能です。
あくまでも、側弯症による背骨の歪みによって生じてしまっている、
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呼吸の難しさ
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身体の様々な箇所の筋力・筋肉バランスの不釣り合い
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上肢・下肢の動かし難さ
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姿勢保持の難しさ
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身体の歪み
などの改善によって、
変形・歪みの進行防止や痛みなどの軽減、身体運動の改善を目指すものになります。
担当の医師から、医療機関での運動療法を指導されている方は、必ず医師の治療法に従ってください。
医療機関での運動療法ではなく、一般的な運動でも可能な場合は、
できる限り、マンツーマンで指導を受けることができる環境をおすすめいたします。
そして、
指導者が側弯症と運動についての知識・指導経験が豊富であることをおすすめいたします。
(複数人のグループクラスでは、たとえ少人数でも、細かな動きや姿勢の調整・支持・注意が非常に難しくなり、
効果的に運動をしていただくことが難しくなります。)
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なぜ?マシンピラティス(マンツーマン指導)がおすすめなのか?
これまでの指導経験で担当させて頂いた側弯症のクライアントさんは複数いらっしゃいますが、
お一人として、同じ背骨の歪みはありません。
また、その日によって、お客様の体調や生活状況に応じて、歪み方も異なっています。
従って、お客様ひとりひとりに合わせたセッションのプログラミングやエクササイズ・ストレッチの細やかなアレンジメント(調整)が必要になります。
【マシンピラティス・完全マンツーマンレッスン の効果】
専用マシンを使用したマシンピラティスは、もともとリハビリテーションとして考案されたこともあり、無理なくエクササイズを行うことができます。
ピラティスマシンに使用されているスプリング(バネ)はレベルによって非常に軽く設定することも可能です。
伸び縮みによって強さが変わる性質を生かし、筋肉の収縮に応じて序々に負荷をかけることができます。
このため、腱や靭帯に対して急激で過度な負担をかけずに筋肉の強化/筋肉にストレッチを促していくことが可能です。
様々なマシンを使用するマシンピラティスは、数百種類といわれるエクササイズバリエーションが可能になります。
そのため、幅広いエクササイズバリエーションや細部に渡る調整が可能で、
おひとりお一人の体調やご要望に合わせて、毎レッスンプログラミングを行い、完全カスタムメイドプログラムで安心して・効果的にピラティスレッスンを受けていただくことが可能です。
また、ピラティススタジオアコアでは、クッションやパッド、ブロック等の補助具を非常に豊富に揃えています。
それらの補助具を効果的に使用することで、歪みのある箇所に負担をかけることなく、また均整を取りながら、機能的・効果的にエクササイズを行っていただくことができます。
「側弯症」の方のセッションでは、特に、その方の身体の状態に応じて、
マシンの上での寝方・座り方・腕の伸ばす方向・クッションの大きさ・形・ボリューム、バネ(スプリング)の伸び縮みの方向/強度とそのクライアントさんの背骨や筋肉の状態のバランス。。。など、多くのことを考えたうえで動きを行っていただかなくてはなりません。
マシンや補助器具を使用しないマットピラティスや、グループクラスでは得ることのできない、
安全性と確実な効果を実感して頂けると思います。
【具体的な身体への効果】
側弯症のみならず、背骨の歪み・姿勢の崩れでは、
- 背骨を長く保つ、中軸として上に(頭頂方向)伸びる意識が難しい
- 短くなる・縮む・詰まる・圧迫される 箇所が出てくる
- 胸郭・腹腔の広がりが保持できず、呼吸が機能的しづらくなる
- 筋力の左右差・アンバランスが生じる
- 背骨のみならず、身体の様々な箇所に他の歪みやアライメントの崩れ、関節可動域の不釣り合い
① 背骨を長く保つ・中軸として上に伸びる意識
ピラティスの最大の特徴として、Axial Elongation 中軸の伸長 という観点があります。
ピラティスでは、常に背骨の長さ・中軸の伸びの意識のもと、
身体の中心・コアと呼ばれる体幹の意識を高め、筋肉を内側からストレッチと強化を行います。
そのため、側弯症や背骨・姿勢の崩れにとって最も重要な、重力や筋力不足などによって生じている背骨に対する圧の軽減ー背骨・中軸の伸長への意識を高めることができます。
② 筋肉・関節の縮み・詰まり
背骨の歪みによって、肩や腰の高さの非対称や骨盤の歪み・股関節等への影響も生じることがあります。
リフォーマー、トラピーズテーブルなど、ピラティスのマシンを使用してのストレッチは、
身体のアライメントを整え、アライメントを保持するためのインナーマッスルをしっかりと鍛えながらも、
ストレッチ・リリースすべき筋肉にしっかりとアプローチし、
深呼吸とともにストレッチを行うことで、柔軟性の向上に働きかけます。
③ 呼吸機能の改善
ピラティスにおいて、呼吸は、身体の深層筋(インナーマッスル)の効率的強化のためにも、柔軟性としなやかな強さを兼ね備えて筋肉の強化のためにも、身体・頭・心(精神)の完全な調和を目指すためにも、非常に重要な身体の機能であり働きかけになります。
また、ピラティスの特徴的な呼吸法ーLateral Breathラテラル(横方向)呼吸では、背骨の歪みによって変形している胸郭(胸椎・肋骨)や硬くなりがちな背中の筋肉に、
身体の中から呼吸による内圧を加え、また弛緩によって筋緊張をほぐす効果もあるため、非常に効果的であると考えられます。
④ &⑤ 筋力のアンバランス、他の歪みやアライメントの崩れ、関節可動域の不釣り合い
背骨・肋骨の形や位置は、歪みや変形によって、骨格模型の正常な位置と異なっています。
それにより、身体の左右で筋力のアンバランスや関節可動域の不釣り合い、
背骨以外での骨格・アライメントの崩れ・歪みなどが生じます。
筋力のアンバランスや関節可動域の不釣り合いは、
エクササイズ・動きを行っていただくクライアントさんを注意深く見させていただくことで発見できます。
また、そのアンバランスや不釣り合いに対応するための、
きめ細かいマシンの設定(負荷の調節・バネの伸縮の方向性など)や寝方・座り方などのポディションの微調整などは、
指導経験と知識を兼ね備えたトレーナーによる、マンツーマンセッションでのみ可能となります。
背骨以外の身体の他の箇所への影響ー身体の繋がり・バランスへのアプローチは、
動き・エクササイズにおいて、
ピラティスの6大原則の3つ「Control / coordination コントロール、コーディネーション、均整」「Fluidity 動きの滑らかさ、流れるような動き」、「Precision 正確性」を複合的取り入れ、
身体・動きの問題のある箇所だけに注目するミクロなアプローチではなく、
マクロな包括的視点で、身体や動きの問題や特性に対すアプローチを行うことが可能である
マシンピラティスのマンツーマンセッションだからこそ、対応していくことが可能と思われます。
さらに、ピラティスマシンの特徴であるバネ(スプリング)によるサポートと適切な負荷とその滑らかな動き、そして数百に及ぶ豊富なエクササイズのバリエーション・アレンジメントが可能にします。
以上のように、マシンピラティスによる完全マンツーマンのカスタムメイドセッションでは、
側弯症や背骨の歪み・姿勢不良に対する悪化防止や状態の改善にとても効果的と考えられます。
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側弯症と診断を受けている方でピラティスご受講をご希望の際は、
必ず、ご受講前に必ず担当医師に許可と禁忌事項の確認をお願いいたします。
ピラティスは医療行為ではなく、トレーナーは側弯症や脊柱の変形に伴う疾患に関する専門家ではないことを、予めご了承ください。
ピラティススタジオアコアでは、
ピラティス指導における側弯症についての知識とエクササイズの応用について学んでいる、指導経験豊富なトレーナーがプライベートセッションのみ担当させていただきます。
セッションをご受講頂く際には、
担当トレーナーと体調や身体の状態についてしっかりとお話しをしていただき、
安心・安全にそして効果的にエクササイズを行って頂けます。
なお、ご体調が優れない場合や事前確認を頂いていない場合など、トレーナーの判断でご受講をご遠慮頂く場合がございます。ご了承ください。